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それぞれの美しさ

更新日:4月21日

ずっと女性の美容&健康に携わる仕事をしてきたせいか、『何をもって美しいと感じるか』については長年考え続けているテーマです。


ベリーダンスもその一環で、通常のレッスン以外にもたまに『女神ムーブメントWS』などベリーダンス以前の個々の魅力を引き出すようなワークショップを開催しているのはそのためです。



「ベリーダンサーらしい」美の基準

令和になってベリーダンス業界も美の基準、指標が多様性を増してきたように思います。



昔、私がベリーダンスを始めた頃に素敵と言われていたダンサーは、中〜小柄でふくよか。

胴体に重厚感というか存在感があり、四肢は華奢で主張しないようなスタイルのダンサーがザ・ベリーダンスのスタンダードっていう感じでした。

骨格タイプでいうとストレート。


また、当時はあまりくびれていないのが本物のベリーダンス体型と言われていました。

まぁベリーダンスが上達してくると脇腹の筋肉も鍛えられるから、(くびれがあるのに厚い脂肪で隠れているタイプの人をのぞき)本来はくびれを作るためのダンスではないというのは本当です…



その当時私が習っていた先生はボンキュッボン(古いw)の肉づきが素敵すぎるダンサーだったけど、その先生は長身だったので「本当はもっと小柄で、お腹周りどっしりしてるほうがいい」と言っていました。


私は自分の長い腕が、胴体よりも目立ってしまうのがとても嫌でした。

「みんなと同じようにやっているのに、腕のせいでなんか他の人より下手にみえる」と、素敵に踊れないことを腕のせいにしてみたり。そもそも初心者だったのに…!

(長い腕は使い方次第できれいに見せることもできますが、それはちょっとやればできるようなことではなく、日々の意識と努力の積み重ねです)



そのあとは豊満な胸と腰を持ったセクシーな体型のダンサーが、ベリーダンサーのスタンダードになりました。

柔らかい肉感で筋肉は目立たず、バストとヒップとの比較でくびれが目立つとてもフェミニンなザ・骨格ウェーブ!


実際にベリーダンス衣装が一番似合うのはこの体型だし、同じテクニックレベルならこの体型の人のほうがそれっぽく、うまく見えるという残酷な現実があります。

「ベリーダンスの動きが映える」んですよね。だって本来は胸とお腹と腰を揺らすダンスだから!

柔らかい腹肉は宝!と言われ始めたのもこの頃だと思います。



筋肉質な私には肩身が狭い時期でした。

当時「本場ではベリーダンサーは筋肉や肋が目立つのは良くない」という話が常識のように広まっていて、どうがんばっても骨格的に肋骨が目立ちやすい私はいたたまれず。

今度は「肋骨が出てるせいで素敵にみえない」と肋骨のせいにしていた時期です…笑


またあるとき自分の踊っている写真を加工アプリを使って「腰〜お尻を大きく」してみたら…

すんごい上手そうなベリーダンサーが誕生して感動した(まやかしなのに!)くらいには悩んでいましたw


若かったので肉質も硬く、食べてもお腹やお尻に脂肪がつかないので筋トレなどの努力で大きくしようもなく。

(若い人でシミーをしてもおなかの肉が揺れない人は肉質が硬いことが原因かもしれません。年齢とともに肉質はやわらかくなります。私も40代になって肉質が変わりました)




そしてそのあとは女性の筋トレブームの流れなのか、骨格がしっかりした手足の長い長身で筋肉質のダンサーが増えてきた感じがあります。

胸もお尻もある、だけど骨感があってちゃんと筋肉がついているような…

アマゾネス的な、フィジカル強めのかっこいい体型。

フェミニンやセクシーというよりも、ゴージャスです。


今も海外だとこのスタイルのベリーダンサーはけっこう多い印象です。

逆に骨格が小さくて華奢な日本人だとこのスタイルになるのは難しいかもですね。

骨格ナチュラルにやや人工的な要素をプラスしたような体型です。




そして最近は、すらっと細身で身体能力の高いチャイニーズダンサーたちが台頭してきてニュースタンダードを作ったなぁと。

全身に神経を行き届かせ、可動域の大きい全身を使った踊り方と、なにより細身のベリーダンサーをきれいにみせる衣装が増えて「貧相に見える問題」が「上品にみせる」方向へ舵を切った感じ。



ベリーダンスは唯一の正解がない踊り

そんな感じで、ベリーダンスの美の基準も実は刻々と変化していっています。

そうなってくると、あとは本人の好みの問題。


海外のベリーダンサーは人工的に『映える体型』をつくるのが当たり前(わかりやすいセクシーをお客さんが求めていて、それが仕事だから)と聞いたことがありますが、日本ではやはりちょっと違いますよね。


日本のベリーダンス界ではときに「コンプレックスの反転現象」が起こります。

日本で一般的に求められる美の基準は「若い」「かわいい(幼い顔立ち)」「細い・華奢」「小尻」「清楚感やナチュラル」なのに対し、

ベリーダンスは(はやりを抜いた一般論として)「成熟」「派手で強め美人系メイク」「ステージ映えのするボリュームのある体型」がウェルカムなので。


一般的な美の基準にせよ、ベリーダンス的な基準にせよ、「正解(スタンダード)に近づこう」とすれば、足りないものだらけ。

だから『自分が自分らしくいられる居心地のいい場所、好きな場所』で、『自分の持てるもの(与えられたギフト)を受け入れてより良く活かそうとするかどうか』が重要なんです。

これはメンタルケアの基本でもあります★


幸いベリーダンスは他のダンスに比べて「しばりが少ない、個性を表現しやすい、自由度の高いダンス」です。

だから自分の正解が見つかっていない人は「みんなの正解」に近づきたくなる、追い求めたくなるんだけど…正解を求めるって承認欲求なんですよね大元が。


ベリーダンスに興味を持った人って、多かれ少なかれその「正解の決められてない自由な感じ」「自分らしさを活かせそうな感じ」に惹かれている部分があると思います。

型にはめられて安心するのを好む人は、純粋なスキだけでわざわざベリーダンスは選ばない多分w


せっかく懐の深いベリーダンスをやるなら、「自分の正解」「自分の好き」を探す行為を、「自分の魅力を肯定していく」というその行為を、ただ悩むのではなく楽しんでほしいなと思います。

(そのために2025年はいろいろなワークショップや期間限定クラスを開催しています!)


ベリーダンスが好きなのに体型がコンプレックスでさんざん葛藤してきた私から、いま生徒さんたちに一番伝えたいことです。




みんな一長一短

私がレッスン中、できるだけ生徒さんひとりずつをみてまわってアドバイスするようにしているのは、よく言うアドバイスがひとりずつ違うのは、それぞれの個性をより輝かせる方向に上達していってほしいからです。

(もちろん基本は大事だけれど)正解の型にはめようと思って適当に言っているものでも、生徒さんの個性を否定しているものでもありません。



骨格ウェーブ体型の人は、ベリーダンス的にはとても恵まれた体型です。

ベリーダンスの衣装がよく似合い、意図せずともわかりやすく女性らしさを表現できます。

てきとうに動いても「それっぽく上手にみえる」ことは羨ましい反面、テクニック上達の妨げにもなります。


また、この体型の人は基本姿勢が崩れた瞬間にだらしなく見えてしまいがち。

持って生まれた女性的な魅了と紙一重のところに「下品なだらしなさ」があるイメージです。

揺れやすい分たるみやすいというデメリットもあり、年齢とともにきれいに体型を維持するのが難しくなってくるタイプなので、筋トレは必須です。

基本姿勢とテクニックの備わった骨格ウェーブさんは最強…!



骨格ストレート体型の人ならクラシカルなエジプシャンスタイルの繊細な踊り方や衣装がよく似合います。

オーソドックスな上品さがある一方、あまり大げさな動きをするとボディの存在感があるぶん雑に見えてしまうのは気をつけたいところ。


胴体に肉がつきやすいので、四肢とのアンバランスが大きくなりすぎないよう、太りすぎにも注意です。

肌に若々しいハリがあり、手足が華奢なので、そこで女性らしさを表現できると素敵だと思います。



骨格ナチュラル体型の人は、ベリーダンス的には一番悩みやすい体型。ユニセックスな少年のような骨格なので、普通に踊ってもいまいちベリーダンスっぽくなりません。


このタイプは、先端まで意識的に美しく手足を使い、胴体よりも悪目立ちさせないことが最優先課題。

くびれにくいタイプなので、衣装選びは腰回りが大きく見えるものを選ぶことでバランスが良くなります。

女性らしさを出したいときは首や鎖骨や背中、髪や表情といった「胴体以外」でギャップで色気をプラスする工夫が必要です。


しっかり骨感がある人は姿勢が悪く筋肉がついてないと貧相に見えてしまう一方、ある程度筋肉があるとゴージャスな印象になり、個性的な衣装が似合いやすくなります。

妖精のようなベールワークや、女神っぽい力強くゆったりとした踊り方が、ユニセックスな体型の人の魅力を引き出してくれます。




細身の身体を素敵にみせるポイント

ベリーダンス的に細身の人全般にいえることとしては、肌の露出を控えめにして、胸や腰まわりに揺れる飾りの多い衣装を着ることでボリュームを補うのがおすすめ。

姿勢を整え、四肢を丁寧に使うことで、胴体のパワー不足を補い、芯のある上品な印象のダンスになります。


揺れるものが少ないとどうしても力任せに大きく動かそうとしてしまいがちですが、細身の人の「頑張っている感」は体幹に重さがない分、全身がグラグラもっていかれてしまって逆効果。

可動域は広げつつも大きく動かそうと力まないことが見た目にも余裕をうみ、細身の身体をしなやかにみせてくれます。

とても難しいことだけど!



ちなみに私の2人目の師匠は、とても華奢です。

でもすごく華やかで、踊る姿には美少年のような色気があり、胸や腰という視覚的な女性性ではない内面の女性としての自信、自己肯定感のようなものがセクシーさとして滲み出ています。


自分の持てるものをどう定義づけるか?は本人次第。

あなたの魅力は何ですか?

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